企画展をより楽しんでいただくために、なじょむ&もんたが見どころを解説します!(全4回)
五丁歩土器の周辺 −焼町土器と大木式土器−
<焼町土器の世界>
信濃川を上流に進み、千曲川の上流域(主に東信地方)には、焼町土器と呼ばれる特徴的な土器が存在します。
その曲線文様などから、新潟県域における火焔土器との関係で捉えられてきた経緯をもちますが、類例の増加とともに独自の土器群として認識が改められてきました。
焼町土器の中心地は、千曲川上流域の東信地方にあります。
製作は厚手の作りで、鉄分の多い粘土を使うため赤黒い焼き色が特徴です。
雲母・石英の混入例が多くみられます。
器種の大半は深鉢で、台付鉢が少数あります。
浅鉢は皆無です。
装飾は直線的な分帯・区画を避け、縦横に流れる曲隆線文を基軸に構成されています。
古い段階の土器には、器面に縄文を施文する特徴があります。
分帯・区画を避ける構成は、隣接型式の中では五丁歩土器との類似度が高く、火焔土器と大きく異なる点です。
<大木式土器の世界>
縄文時代中期には、東北地方南部を中心として「大木式土器」が分布します。
大木式土器は周辺地域に対して大きな影響力を持って存在していた土器群で、新潟県域でも例外ではありません。
信濃川最下流から会津地方へ向かう阿賀野川流域は、その大木式土器文化の様相が色濃く反映されています。
大木式土器の大きな特徴は、まずもって縄文≠施文するところにあります。
これまで概観してきたように、火焔土器・五丁歩土器・焼町土器には基本的に縄文≠施文しません。
そして、五丁歩土器・北陸系土器、焼町土器と大きく異なるのが、器面を分帯・区画することにあります。
そして、その構造は火焔土器と良く類似しています。火焔土器のルーツの一端が、ここにも認められるようです。
こうした独自の在り方を保持していた大木式土器は、新潟県域の中でも多く出土しています。
新潟県内で土器の編年を組む時、まずもって大木式土器をその基準としていることからも、存在が目立つことがわかります。
(おわり)
会期も残りわずかとなりました。
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