2019年10月18日

技と造形の縄文世界 〜5〜

令和元年9月7日(土)〜11月4日(日)の会期で、秋季企画展『技と造形の縄文世界−形と文様にみる美の心−』を開催しています。
縄文文化の「技と造形」をテーマに、類なき造形世界≠ご覧いただきます。
企画展をより楽しんでいただくために、なじょむ&もんたが見どころを解説します!(全7回)

器を超えた縄文土器の世界

深鉢形の縄文土器は、基本的にお鍋≠ニして存在しています。
約15,000年前に土器が出現し、それ以降縄文土器の機能として一貫しているのが煮沸°@能です。
器を越えた縄文土器の世界1.JPG

お鍋である縄文土器は、縄文時代中期になると、深鉢形の土器に派手な装飾と大仰な突起が付けられます。
すなわち、「器を超えた器」が出現します。

縄文時代中期の大仰な突起は、器として使用する上では使い勝手が悪く、鍋として使用するのであれば尚更です。
器を越えた縄文土器の世界2.JPG
この突起こそが縄文土器の大きな特徴で、歴史上、世界中に土器が存在している中においても、突起≠ヘ他例を見ません。
これらの突起の特徴は、4単位や3単位で巡るもの、巡らずに1単位になるなど、様々となっています。

縄文時代中期の土器文様には「物語性文様」と呼ばれる、意匠的な文様群があります。
抽象的な文様要素を器面上で組み合わせ、縦・横・斜めに配置し、人々の世界観が表現されています。

器を越えた縄文土器の世界4.JPG
新潟の土器である火焔型・王冠型土器は器面をT字状に区画し、北陸地方に由来を持つ土器は斜め45°に文様が展開します。
器を越えた縄文土器の世界5.JPG

精霊同士が手を繋いだような土器もあり、一見複雑な文様を持つ土器にも規則性が認められます。
器を越えた縄文土器の世界6.JPG

縄文土器には、時折精霊が憑依します。
中部高地では明確に土偶が付く縄文土器がありますが、津南や新潟では抽象的にしか表現されません。
器を越えた縄文土器の世界7.JPG

新潟に特有な三角形土偶が付くものもあります。
器を越えた縄文土器の世界12.JPG

土器と土偶が融合する、不思議な現象が起こります。
器を越えた縄文土器の世界9.JPG

他にも、土器を体躯に見立てて突起を足形にしたり、器面上に男女を描くなど、様々な表現が見られます。
器を越えた縄文土器の世界10.JPG

(6に続く)


posted by なじょもん at 07:42 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする